日本の過労死が、2018年にアメリカの大手テレビネットワークCNBCで取り上げられていました。
「過労死」は、「Karoshi」として英語になっている程、すごく日本的な現象/問題として知られています。「Koban(交番)」、「改善(Kaizen)」など、日本語がそのまま英語になっているものはいくつかありますが、「交番」や「改善」がいい意味で英語になっているのに対し、「過労死」は全く誇れるものではありません。

この動画では、なぜ過労死が起こるのかを、日本の文化と照らし合わせながら説明しています。
5分強と短く、英語字幕も出るので、英語のリスニングを兼ねて是非ご覧ください!
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動画の概要
動画のナレーションの概要は、以下の通りです。内容を一通り理解していると、動画の英語もより理解しやすくなると思います。
長時間労働は、日本の生き方となっていますが、そのために死亡する人まで出ています。
過労死「Karoshi」は、過労を原因とした死亡のことを意味します。
なぜそんなに働いているのでしょうか?改善することはできるのでしょうか?
日本は、世界の中でも労働時間が長い国です。

日本の会社の4分の1の被雇用者の残業時間は、月に80時間を超え、残業代が支払われないこともしばしばです。
日本の企業文化は「サラリーマン」によって動かされています。サラリーマンの特徴は、その会社に忠実であること。リタイアするまで同じ会社で働くことが期待されます。
また、長時間働いたあとにも、仕事の後も一緒に飲みに行ったりすることが当然だという考えがあります。
2017年の調査によると、日本の労働者は、有給を10日消化していないそうです。これは他の国の中でもトップです。

日本の仕事に対する労働倫理は、1950年代の高度経済成長にまで遡ります。会社全体の成功は個人よりも大切と見なされます。
これのせいで、63%の日本人は有給を使うのに罪悪感を感じるのではないでしょうか。
ただし、長時間労働だからといって生産性が高いといわけではありません。実際、日本は、G7の中でも生産性は最も低い国となっています。

過労死とは、「death by overwork」という意味です。日本政府も過労死を法的に認めており、過労死は、ストレスによる心臓発作、脳卒中、自殺を特徴とします。
年間数百件の過労死が報告されますが、これは低く見積もられていると考える人もおり、実際の数は最大10倍にものぼると考えられています。
2015年の電通の過労死問題が、日本では問題になり、長時間労働を変える新たな提案が広がりました。被害者は月に100時間以上のサービス残業をさせられていたということで、電通は罰金を課せられました。電通はこれを受け、従業員を帰宅させるために、夜10時にはオフィスの電気を消すなどの変更を行いました。
日本政府は、年に5日の休暇を取らせることを義務化したり、勤務日と勤務日との間に「休み時間」を取らせるなどの新しい取り組みを検討しています。
2016年には、「山の日」を導入し、祝祭日の数を16日に増やしました。
2017年には、「プレミアムフライデー」という新しい取り組みを開始。この取り組みでは、最終金曜日に午後3時に帰ることが推奨されています。ただ、実際は、プレミアムフライデーに早く帰った被雇用者は、4%未満だという調査結果が出ています。
日本文化では個人よりも集団が重視されるという文化があるため、誰も最初に帰りたくないのです。
また、別の理由には、日本経済は危機的状況にあるため、たくさん働かなければならないというプレッシャーがあることも挙げられます。
2011年には、42年間も保持し続けた経済における世界2位の座を、中国に明け渡しました。
また、少子高齢化が進んでいるため、人口が減り続けています。2015年は1億2,700万人でしたが、2065年にはわずか8,800万人になると予想されています。
労働者の不足を補うには、移民か、ロボットかです。
しかし、日本は常に移民の受け入れには消極的であり、他の経済大国と比べると、移民の割合は非常に小さいです。

移民をもっと受け入れないとなると、ロボットで不足を受け入れることになります。ロボットは、おもてなしから製造、さらには自動搾乳機によって農畜産にも広がっています。
ただ、ロボットがワークバランスを可能にするかどうかは、現時点では不明です。
この番組の内容から見て、アメリカの人からは、過労死はなかなか理解しがたいものであることがよく分かります。過労死は、日本文化と深く関連のある問題ですので、一気に改善することは困難だと思いますが、絶対に解決されなければならない問題だと思います。
私がこっちの翻訳会社に働いていたときには、ほとんどの人は定時きっかりに帰っていました。また、その職場の同僚はみんな、有給はちゃーんと全部消化していました。日本も早くこうなることを心から願っています。
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